バンブルビー通信

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無常感とKYと凡才の進む道 三鷹コミュニティシネマ映画祭「高畑勲監督特集」の話


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photo by xddorox

昨日はドイツ語検定を受験した後、そのまま三鷹コミュニティシネマ映画祭「高畑勲監督特集」に参加してきました。

火垂るの墓とかぐや姫 第5回三鷹コミュニティシネマ映画祭「高畑勲監督特集」に行ってきます - バンブルビー通信

 

会場にはプレス席のようなものがあり、参加人数150名のチケットが前売りで売り切れてしまったくらい、大盛況だったようです。「火垂るの墓」と「かぐや姫の物語」の上映後、高畑勲監督によるトークショーが行われました。

 

テーマは「作品を作りながら考えたこと」だったのに、インタビュアーがなぜか高畑監督が影響を受けた作品の解説とか、海外の映画論のように作品から逸脱していたのが残念ですが、高畑監督の言葉で3つ、とても残ったことがありましたので、書いてみたいと思います。

無常感について

かぐや姫の制作中に起こった3.11の大震災に話が及んだ時、高畑監督が口にしたのが「無常感」でした。

 

日本人が持っている無常感、つまり物事は壊れていくのが当たり前というような儚さにも通じるのかもしれませんが、その根本は災害大国だからではないかというものです。高畑監督はフランスに造詣が深いので、フランスのように自然災害が少ないと、古い建物が壊れずに残っていき、永遠ということを信じられるような気がすると話していました。

 

僕もイギリスに滞在していた時、イギリスは地震も台風も無いので、日本って災害が多い国なんだと実感しました。地震、津波、噴火、台風などのように破壊的な災害に見舞われやすいというところから、日本人は作ったものはいつか壊れてしまうというような無常感を持つようになったのではないかと。

 

こういう観点から考えたことがなかったので、とても新鮮でした。

 

空気を読むことが一番重要な国

「火垂るの墓」は戦争を扱った作品のため、インタビューの中でも戦争に関する話が出てきました。そこで高畑監督が語ったのは、KYというような言葉が出てきた時、日本人の本質は変わっていないと思った、ということでした。

 

日本人にとっての行動規範は個々人の信念からよりも、世間からどう見られるかということの方が強いというものです。残念ながら名前は失念してしまいましたが、高畑監督が例に挙げたのは、徴兵制の時に息子を兵隊にさせたくなかった人の話です。

 

雨の中で息子をずっと立たせ、わざと病気にさせて徴兵させなかったという人の話で、戦時中は非国民だと大変な迫害を受けたと。そのような話は今だったら間違ってると思えますが、非常時ではわからないですよね。

 

よくも悪くも周りとの調和を大事にする日本人ですが、間違った方向に流れてしまった時の怖さのようなものを感じました。

 

好きなことを続けること、1つずつ進歩していくこと

最後に、参加者からの質問がいくつかあり、その中で「成功するクリエーターの特性や素質があれば教えて欲しい」というものがありました。

 

これに対し、高畑監督は「僕は自分が凡才だと思っている」というようなことを口にした後で、それでも凡才が進んでいくための話をしてくれました。高畑監督は宮崎駿監督のことを「天才」と評しました。

 

価値観を他人と比べてしまうと、宮崎駿監督のような天才が横にいるのに自分はどうしてこうなんだろうかと落ち込んでしまいます。では、どうやって半世紀以上も作品を作り続けてこられたのかというと、「好きなことを続ける」ということと、「自分が一歩一歩前進している」という喜びを感じるということでした。

 

価値観を自分に向けるということは本当に難しくて、僕も英語を勉強し始めた時、何度も心が折れそうになりました。僕が英検2級を取った時には準1級に受かる人がいて、TOEICで900点を超えたらバイリンガルの帰国子女がいます。

 

上を見ればキリがなく、そういう人と比べると「今さら努力しても」というような気持になってしまうんですよね。しかし、そこで価値観を自分に向けることで、好きなことをしているということと、それで自分が少しずつでも進歩しているという実感を感じられるんだと思います。

 

まとめ

高畑監督の話はとても参考になることが多く、普段僕が見ている見方とはまた違った世界観を教えてくれました。

 

特に、勝手に「凡才の進む道」なんていうタイトルをつけてしまいましたが、自分の好きなことで進歩を感じながら続けていくということ。これを支えに、これからも自分のペースで頑張りたいと思います。

 

それでは、また。